用途別の道具・薬剤・使い方マニュアル

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  • 鳩の巣作り、初期段階で使える対策グッズ

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    ベランダで、鳩が巣作りを始めた、あるいはその兆候が見られる。そんな「作りかけ」の初期段階であれば、まだ鳩のその場所への執着心はそれほど強くありません。このタイミングで、市販されている対策グッズを効果的に使うことで、本格的な巣作りに移行するのを防ぎ、彼らを諦めさせることが可能です。ここでは、初期段階で特に有効な、三つのタイプの対策グッズをご紹介します。まず、鳩の「視覚」に訴えかけるのが、「光り物」です。鳩は、キラキラと不規則に反射する光を警戒する習性があります。不要になったCDや、専用の鳥よけホログラムテープなどを、鳩が飛来してくる場所からよく見えるように、物干し竿などに吊るしておきましょう。風に揺れて光が乱反射することで、鳩に「ここは何かおかしい、危険かもしれない」と感じさせ、寄り付かなくさせる効果が期待できます。次に、鳩の「嗅覚」を利用するのが、「忌避剤」です。鳩が嫌うハーブの香りや、特殊な化学成分が含まれたジェルやスプレーを、鳩が巣を作ろうとしている場所や、手すりなどのとまりやすい場所に、集中的に塗布・散布します。不快な匂いがすることで、その場所を居心地の悪い空間として認識させ、巣作りを断念させるのが目的です。効果を持続させるためには、定期的な使用が必要です。そして、鳩の「触覚」に直接作用するのが、「物理的な障害物」です。鳩は、巣を作る前に、まず手すりなどの足場にとまって、周囲の安全を確認します。この最初の足場を奪うことができれば、その後のプロセスに進むのを防ぐことができます。手すりの上に、プラスチックやステンレス製の「剣山(スパイク)」を設置したり、見えにくい「テグス(釣り糸)」を数本、数センチの高さにピンと張ったりすることで、鳩が物理的に着地するのを妨げます。これらのグッズは、単体で使うよりも、複数を組み合わせて使うことで、より高い効果を発揮します。光、匂い、そして物理的な障害。この三方向からの攻撃で、鳩に「このベラン(ダは、決して安全な場所ではない」と、徹底的に思い知らせることが、初期段階での勝利の鍵となるのです。

  • 鳩の巣作りと法律の壁、知っておくべきこと

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    ベランダに鳩の巣が作られ始め、その被害に悩まされている時、私たちの心には、一刻も早くこの厄介な問題を解決したいという焦りが生まれます。しかし、その焦りから、感情的な行動に走ってしまうと、思わぬ法的なトラブルに巻き込まれてしまう危険性があることを、私たちは知っておかなければなりません。鳩対策と、それを規制する「鳥獣保護管理法」との間には、時に理不尽とも思える、高い壁が存在するのです。この法律は、原則として、国や自治体の許可なく、野生の鳥獣(鳩もこれに含まれる)を捕獲したり、傷つけたり、殺したりすることを禁じています。そして、この法律の解釈において、最も重要で、そして私たちを悩ませるのが、「卵」と「雛」の扱いです。巣の中に卵や雛がいる状態で、その巣を撤去したり、移動させたりする行為は、中の卵や雛を捕獲、あるいは殺傷する行為と見なされ、明確な法律違反となる可能性が非常に高いのです。違反した場合には、一年以下の懲役または百万円以下の罰金という、重い罰則が科されることもあります。では、どの段階までなら、私たちは自分で対処できるのでしょうか。その運命の分かれ目となるのが、まさに「作りかけ」の段階です。巣の材料となる小枝や枯れ草が置かれているだけで、まだ巣の形になっておらず、そして何よりも「卵が産み付けられていない」状態であれば、その材料を「ゴミ」として撤去することは、法律上、何の問題もありません。これが、私たちが自力で合法的に対処できる、最後のチャンスなのです。しかし、巣が完成し、そこにたった一つでも卵が産み付けられてしまった瞬間、その巣は単なる小枝の塊から、法律によって保護された「生命を育む特別な場所」へと、その性質を変えてしまいます。その時点からは、私たちは雛が巣立つまでの一ヶ月以上、ただ見守るしかなくなるのです。この法律の壁の存在を知っているかどうかが、迅速な問題解決と、長期にわたる忍耐生活との、大きな分かれ道となります。

  • 鳩の巣「作りかけ」の段階で業者に頼むのは大げさ?

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    ベランダの隅に、数本の小枝が置かれている。鳩の巣が「作りかけ」であることは明らかだ。しかし、まだ被害はほとんどない。こんな初期段階で、費用をかけてまで専門の駆除業者に頼むのは、少し大げさではないだろうか。多くの人が、そう考えてしまうかもしれません。確かに、この段階であれば、自力での対策で解決できる可能性も十分にあります。しかし、状況によっては、この「作りかけ」の段階でこそ、プロの力を借りることが、結果的に最も賢明で、コストパフォーマンスの高い選択となるケースも存在するのです。では、どのような場合に、早期のプロへの相談を検討すべきなのでしょうか。まず、第一に、「時間的・精神的な余裕がない」場合です。前述の通り、「作りかけ」の巣の対策は、鳩との根気比べ、心理戦です。毎日、小枝が置かれていないかをチェックし、置かれていれば即座に撤去・清掃する。この地道な作業を、鳩が諦めるまで数日間、あるいは一週間以上も続けなければならない可能性があります。仕事が忙しくて、毎日ベランダをチェックする時間がない、あるいは、そもそも鳩が嫌いで、その存在自体が大きな精神的ストレスになる、という方にとっては、この戦いは非常に過酷なものとなります。プロに依頼すれば、この不快で面倒な作業を、全て代行してもらうことができます。次に、「巣が作られている場所」が問題となる場合です。もし、巣が、エアコンの室外機の裏や、給湯器の上といった、自分では簡単に手が届かない、あるいは作業がしにくい場所に作られ始めている場合は、無理に自分で対処しようとすると、十分な清掃ができずに効果が半減したり、思わぬ怪我をしたりするリスクがあります。プロは、専門的な道具を使い、どのような場所でも安全かつ徹底的に作業を行ってくれます。そして最後に、最も重要なのが、「二度と鳩に悩まされたくない」と本気で願う場合です。プロは、単に作りかけの巣を撤去するだけでなく、なぜ鳩がその場所を選んだのかを専門家の視点から分析し、防鳥ネットの設置など、将来的な再発を完全に防ぐための、最も効果的な恒久対策を提案・施工してくれます。初期段階での投資は、未来の平和と安心を手に入れるための、最も確実な保険となるのです。