家の周りの環境を改善する、地道な予防策だけでは、だんごむしの大量発生に追いつかない。もっと確実で、即効性のある駆除方法はないのか。そんな時には、園芸店やホームセンターで販売されている、専用の「殺虫剤」の力を借りるのが最も効果的です。ただし、薬剤を選ぶ際には、その成分の特性と、使用する場所の環境を考慮し、適切なものを選ぶことが重要です。市販されているだんごむし用の殺虫剤には、大きく分けて二つのタイプがあります。一つは、「粉剤(ふんざい)」タイプです。これは、殺虫成分が含まれた粉末を、家の基礎周りや、庭、あるいは害虫の発生源に、帯状にぐるりと撒くことで、薬剤のバリアを作り出すものです。この上を歩いただんごむしが、体に付着した薬剤を舐めたり、呼吸器から吸い込んだりすることで駆除されます。このタイプの最大のメリットは、雨に濡れなければ、効果が長期間持続することです。家の外からの侵入を防ぐ、予防的な目的で非常に高い効果を発揮します。もう一つのタイプが、「粒剤(りゅうざい)」です。これは、だんごむしが好む餌に、殺虫成分を混ぜ込んだもので、いわゆる「毒餌(ベイト剤)」です。これを、彼らが潜んでいそうな植木鉢の下や、ブロック塀の根元などにパラパラと撒いておくと、夜間に活動を始めた-んごむしがそれを食べて、死に至るという仕組みです。巣の近くに重点的に撒くことで、効率的に駆除することができます。薬剤を選ぶ際には、その成分にも注意しましょう。小さな子供や、犬・猫などのペットがいるご家庭では、有効成分が天然由来のもの(天然ピレトリンなど)や、ペットが誤って食べても安全性が高いように、苦味成分が添加されている製品を選ぶなどの配慮が必要です。薬剤は強力な武器ですが、その特性とリスクを正しく理解し、説明書に書かれた用法用量を厳守して、戦略的に使用すること。それが、プロの視点に立った、賢い殺虫剤の使い方なのです。
どうしても駆除したい!効果的な殺虫剤の選び方と使い方