ベランダの隅に、数本の小枝が置かれている。鳩の巣が「作りかけ」であることは明らかだ。しかし、まだ被害はほとんどない。こんな初期段階で、費用をかけてまで専門の駆除業者に頼むのは、少し大げさではないだろうか。多くの人が、そう考えてしまうかもしれません。確かに、この段階であれば、自力での対策で解決できる可能性も十分にあります。しかし、状況によっては、この「作りかけ」の段階でこそ、プロの力を借りることが、結果的に最も賢明で、コストパフォーマンスの高い選択となるケースも存在するのです。では、どのような場合に、早期のプロへの相談を検討すべきなのでしょうか。まず、第一に、「時間的・精神的な余裕がない」場合です。前述の通り、「作りかけ」の巣の対策は、鳩との根気比べ、心理戦です。毎日、小枝が置かれていないかをチェックし、置かれていれば即座に撤去・清掃する。この地道な作業を、鳩が諦めるまで数日間、あるいは一週間以上も続けなければならない可能性があります。仕事が忙しくて、毎日ベランダをチェックする時間がない、あるいは、そもそも鳩が嫌いで、その存在自体が大きな精神的ストレスになる、という方にとっては、この戦いは非常に過酷なものとなります。プロに依頼すれば、この不快で面倒な作業を、全て代行してもらうことができます。次に、「巣が作られている場所」が問題となる場合です。もし、巣が、エアコンの室外機の裏や、給湯器の上といった、自分では簡単に手が届かない、あるいは作業がしにくい場所に作られ始めている場合は、無理に自分で対処しようとすると、十分な清掃ができずに効果が半減したり、思わぬ怪我をしたりするリスクがあります。プロは、専門的な道具を使い、どのような場所でも安全かつ徹底的に作業を行ってくれます。そして最後に、最も重要なのが、「二度と鳩に悩まされたくない」と本気で願う場合です。プロは、単に作りかけの巣を撤去するだけでなく、なぜ鳩がその場所を選んだのかを専門家の視点から分析し、防鳥ネットの設置など、将来的な再発を完全に防ぐための、最も効果的な恒久対策を提案・施工してくれます。初期段階での投資は、未来の平和と安心を手に入れるための、最も確実な保険となるのです。
鳩の巣「作りかけ」の段階で業者に頼むのは大げさ?