我が家の平和が、夜な夜な天井裏から聞こえる「カリカリ…トトト…」という小さな物音によって脅かされ始めたのは、去年の秋のことでした。最初は気のせいかと思いましたが、音は日増しに大きくなり、それがねずみの足音であると確信するのに、そう時間はかかりませんでした。私は、専門業者に頼む費用を惜しみ、安易な自己流の駆除に乗り出すことにしたのです。これが、長く苦しい戦いの始まりでした。最初に試したのは、ドラッグストアで買った粘着シートです。天井裏の点検口から覗き込み、ねずみの通り道らしき場所に数枚設置しました。しかし、数日経っても一匹もかかりません。それどころか、シートを巧みに避けて通っているかのように、足音は相変わらずでした。次に投入したのは、強力な殺鼠剤です。ソーセージに混ぜ込み、天井裏のあちこちに置きました。数日後、ピタリと物音が止んだのです。「やった!」と勝利を確信したのも束の間、今度はどこからともなく、強烈な腐敗臭が漂い始めました。どうやら、毒餌を食べたねずみが、天井裏のどこか手の届かない場所で死んでしまったようなのです。夏に向けて、異臭は日に日にひどくなり、リビングにいても気分が悪くなるほどでした。結局、私は異臭の原因を突き止めることも、死骸を回収することもできず、腐敗臭が自然に消えるまで、何週間も耐えなければなりませんでした。おまけに、しばらくすると、また別のねずみが住み着いたのか、再び天井裏から物音が聞こえ始めたのです。安く済ませるつもりが、時間も労力も無駄にし、精神的な苦痛だけが残りました。私はついに白旗を揚げ、プロの駆除業者に連絡しました。業者の方は、手際よく侵入経路を特定して封鎖し、残っていたねずみを駆除してくれました。そして言われたのです。「最初からご相談いただければ、こんなことにはならなかったのに」と。その言葉が、私の胸に深く突き刺さりました。
天井裏の悪夢!私のねずみ駆除失敗談