普段は屋外の、湿った土の上で暮らしているはずのだんごむし。そんな彼らが、なぜわざわざ家の中にまで侵入してくるのでしょうか。そして、庭や家の周りで、時にうんざりするほど大量発生するのは、一体なぜなのでしょうか。その原因は、彼らの生態的な要求と、あなたの家の周りの環境が、完璧にマッチしてしまっていることにあります。だんごむしが大量発生するための絶対条件は、彼らが生きるために不可欠な三つの要素、「湿度」「隠れ家」「餌」が、豊富に揃っていることです。まず、「湿度」。家の周りを見渡してみてください。家の基礎周りが、常にジメジメと湿っていませんか。雨樋が詰まって、雨水が壁を伝い、地面を常に濡らしているかもしれません。次に、「隠れ家」。家の周りに、植木鉢やプランター、あるいは不要なブロックや木材、古タイヤなどが、地面に直接置かれたままになっていませんか。これらの物の下は、昼間の乾燥や天敵から身を守るための、最高のシェルターとなります。そして、「餌」。庭の落ち葉や、刈り取った雑草を、掃除せずにそのままにしていませんか。これらは、彼らにとっての尽きることのないごちそうです。これらの条件が揃った場所で、だんごむしは安心して繁殖を繰り返し、爆発的にその数を増やしていきます。そして、数が増えすぎたり、あるいは、大雨などで住処が水浸しになったりすると、より快適な場所を求めて、移動を開始します。その移動の先に、あなたの家があるのです。彼らの侵入経路は、基礎コンリートのひび割れや、サッシのわずかな隙間、あるいは玄関ドアの下の隙間など、ほんの数ミリの隙間です。彼らは、その平たい体で、いとも簡単に侵入してきます。つまり、だんごむしの大量発生と家への侵入は、あなたの家の周りの「環境悪化」を知らせる、明確なサインなのです。
なぜ家にだんごむしが?大量発生の原因と侵入経路