築四十年を超える木造の一軒家に住むある家庭では、毎年のように夏場になると大量のゴキブリが発生し、家族全員が頭を悩ませていました。家が古いため、壁の隙間や床下の構造が複雑で、市販の置き型殺虫剤だけでは一時的なしのぎにしかならず、根本的な解決には至っていませんでした。特に夜間のキッチンでは、電気をつけるたびに数匹の個体が散っていくという惨状で、衛生面での不安も限界に達していました。そこで、プロの業者を呼ぶ前に自分たちでできる最後の手段として、家全体で一斉にバルサンを焚くという大規模な作戦を決行することにしました。この事例で注目すべきは、単発の使用ではなく、二段構えの攻撃を計画した点にあります。初回の実施では、各部屋の押し入れや戸棚をすべて開け放ち、薬剤の煙が建物の深部まで届くように徹底的な準備が行われました。古い家特有の広さをカバーするため、部屋の数に合わせた適切な個数のバルサンを用意し、同時に始動させました。数時間後に帰宅して換気を行ったところ、驚くべきことに家全体で五十匹以上の個体が駆除されており、それまで目に見えていなかった潜伏場所がいかに多かったかを物語っていました。しかし、本当の勝負はここからでした。家族は三週間後の週末に、二回目のバルサンを実施しました。これは、初回の薬剤が効かなかった卵から孵ったばかりの幼虫を、成虫になる前に確実に仕留めるためです。この二回目の実施により、初回よりも明らかに少ないものの、十数匹の幼虫が駆除されました。この徹底した繰り返しが功を奏し、その後数ヶ月間、あれほど頻繁に出没していたゴキブリが、家の中から完全に姿を消したのです。住民からは、夜中にキッチンへ行くのが怖くなくなった、家の中の空気が清々しく感じられるようになったという喜びの声が上がりました。この事例が示すのは、古い家であっても、バルサンの浸透力と、卵のサイクルを考慮した計画的な連続使用を組み合わせれば、長年の深刻な害虫被害を劇的に改善できる可能性があるという事実です。地道な準備と正確なタイミングが、歴史ある古い住まいを不快な虫から解放し、快適な生活空間へと再生させる鍵となったのです。
築古住宅のゴキブリ被害をバルサンで解決した事例