先日、仕事から帰宅してキッチンの電気をつけた瞬間、冷蔵庫の脇を素早く走り去る黒い影を目撃してしまいました。一戸建ての実家とは違い、自分だけの空間であるはずのマンションの部屋にゴキブリがいるという事実は、想像を絶するストレスとなり、その日は一睡もできないほどの恐怖を感じました。翌朝、私はすぐにドラッグストアへ向かい、店員さんに相談してバルサンを購入することに決めました。一人暮らしの狭い部屋でくん煙剤を使うのは大掛かりな気がして最初は躊躇していましたが、一匹見かけたら百匹いるという言葉が頭をよぎり、徹底的にやっつける覚悟を決めました。作業を始めるにあたって、まずは部屋中の隙間をチェックし、食べ物はもちろん、お気に入りの洋服やクッション、パソコンなどを大きなゴミ袋に入れて口を固く縛りました。火災報知器を覆うための専用カバーがバルサンに付属していたので、それを使ってしっかりと養生を行い、準備は一時間ほどで完了しました。いよいよ始動させる時、心臓がバクバクしましたが、思い切って蓋を擦り、煙が上がり始めたのを確認してすぐにドアを閉めて外に出ました。外出中は映画を見て時間を潰していましたが、頭の中は部屋の状況でいっぱいで、今頃あの忌まわしい虫たちがのたうち回っているのだろうかと想像しては背筋が凍る思いでした。三時間ほど経ってから帰宅し、鍵を開けるときは非常に緊張しましたが、ドアを開けても煙の臭いはそれほど強くなく、拍子抜けするほどでした。すぐに窓を全開にして一時間ほど換気を行い、その間に掃除機を家中にかけると、案の定、棚の裏から息絶えたゴキブリを発見しました。ショックでしたが、同時に「もう安全だ」という大きな安堵感が押し寄せました。掃除が終わった後は、床をフローリングワイパーで二度拭きし、空気の入れ替えを徹底しました。驚いたのは、その後一週間経っても新しい個体はおろか、小さな幼虫さえも見かけなくなったことです。以前は夜中に物音がするだけでビクビクしていましたが、今では安心して深い眠りにつくことができています。あの日、勇気を出してバルサンを焚いた自分を褒めてあげたい気持ちです。ゴキブリに悩む全ての一人暮らしの方に、この安心感を伝えたいと思います。