地球上で最も忌み嫌われる存在でありながら最も成功した生物の一つとされるゴキブリの生命力は私たちの想像を絶する次元に達しており約三億年前の古生代石炭紀からその姿をほとんど変えずに生き抜いてきた事実は彼らが完成された生命体であることを如実に物語っています。ゴキブリの驚異的な生命力の源泉はその極めて強靭な身体構造にありたとえ頭部を失ったとしても即座に死に至ることはなく一週間から数週間は生き続けることが可能であるという衝撃的な特性を持っています。これは彼らが人間のように脳で全身の呼吸を制御しているわけではなく腹部にある気門と呼ばれる穴を通じて直接酸素を取り込んでいるためであり頭部を失っても窒息することがなく最終的な死因は水分を摂取できなくなることによる脱水症状であるという点は驚きを禁じ得ません。さらに飢餓に対する耐性も異常なほど高く水さえあれば一ヶ月以上も絶食状態で活動を続けることができ万が一水がない状況下でも数週間は耐え忍ぶことができるためいかなる不毛な環境下でも生存のチャンスを逃しません。食性についても極めて広範かつ雑食であり人間の食べ残しはもちろんのこと髪の毛やフケあるいは段ボールの接着剤や本の糊、さらには仲間の死骸や糞に至るまで有機物であれば何でも栄養源に変えてしまう驚異的な消化能力を備えています。この貪欲なまでの食欲と何でも消化できる能力があるからこそ彼らは人類が文明を築くはるか前から地球の覇者として君臨し続けてこられたのです。物理的な回避能力も卓越しており全身に生えた微細な感覚毛はわずかな空気の流れや振動を察知して敵の攻撃をミリ秒単位の速度で回避する反射神経を持っておりその反応速度は生物界でもトップクラスに位置します。このように解剖学的、生理学的、そして行動学的なすべての側面において生存に特化した進化を遂げたゴキブリは核戦争が起きた後でも生き残る唯一の生物であるとしばしば称されるほどその生命力は強固であり人類にとって永遠の難敵であり続けることは間違いありません。